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ゼネコン21社「配筋検査システム共同研究開発」は次のステージへ
2020年12月15日
ー 配筋検査チェックシステムを現場試行開始!ー
ゼネコン21社は、施工現場の生産性を向上させるため、AIおよび画像解析を応用した「配筋検査システム」の共同研究開発を2019年4月から進めています。
当研究開発では、配筋工事の施工管理を支援する「配筋チェック機能」と、配筋検査の業務効率を改善する「配筋検査機能」の2つの機能を兼ね備えた統合システムの実現をめざしています。
今回、タブレット端末を用いた「配筋チェック機能」の現場試行を実施した結果、多様な施工環境において迅速かつ正確な配筋チェック作業に一定の目途が立ちました。これらの現場試行では、各社の配筋画像のAI分析に基づき、システム改良の目標を共有することで、効率的な開発を実現できることが分かりました。今後も現場試行を繰り返し実施し、より汎用性の高い機能開発をめざします。
新型コロナウイルスの感染拡大防止に配慮し、人との接触を避けながら、施工品質を確実に確保するため、ゼネコン各社には、施工情報の効率的な共有と各段階での確認の確実性が求められています。共同研究開発に参画するゼネコン21社は、各社が培ってきた技術やノウハウを共働して出し合いながら、急激な社会変化に対応していきます。
1.「配筋チェック機能」概要
「配筋チェック機能」に必要となる設計データは、当研究開発でフォーマット化した配筋設計データベースに格納されます。また、設計値のデータ化はAIエンジンを活用し、設計データを効率的にデータ変換します。現場では、タブレット端末でチェック位置を指定した後、十字マーカーを画像中心にセットして対象となる配筋写真を複数枚撮影、写真データを処理サーバに送信します。サーバ内でディープラーニング技術と画像処理を用いて、撮影された配筋の径と本数、ピッチ等を算出します。算出結果は、設計との照合を行い、予め設定された管理値に基づき正誤判定を行います。確認者は、配筋写真上に算出値と共に表示された判定結果をタブレット端末上で確認し、システムが指摘した鉄筋を目視で再確認します。これにより、人とシステムの二重チェックが実現でき、ヒューマンエラーの防止に貢献します。
2.特長
「配筋チェック機能」は、クラウドサーバ内に実装されたディープラーニングモジュールで処理するため、確認者は十字マーカーとタブレット端末があれば当機能を利用することができます。そのため、配筋作業後すぐに配筋チェックができ、検査の見落としや検査後の手直し等が防止できます。また、ディープラーニングモジュールはサーバ上に格納されており、システムの運用中に配筋の追加学習および学習モデルのバージョンアップが容易に実施できます。
3.今後の展開
今後、各社でシステムの現場試行と検証結果の分析を続けながら、システム改良および改善を進めます。また、各社の多様な検証結果の反映、および学習モデルのバージョンアップによりシステムの性能を向上させていくことで、利用範囲の拡大や様々な状況にも対応します。さらに、「配筋検査機能」は、来年度早々には現場試行を開始する予定です。
<共同研究参画会社(21社)>(五十音順)
青木あすなろ建設株式会社、株式会社淺沼組、株式会社安藤・間、株式会社奥村組、北野建設株式会社、 株式会社熊谷組、五洋建設株式会社、佐藤工業株式会社、大末建設株式会社、髙松建設株式会社、 鉄建建設株式会社、東急建設株式会社、戸田建設株式会社、飛島建設株式会社、西松建設株式会社、 日本国土開発株式会社、株式会社長谷工コーポレーション、株式会社ピーエス三菱、株式会社松村組、 村本建設株式会社、矢作建設工業株式会社